糖質制限ダイエットは、短期的(月単位)では速やかな体重減少効果が得られる反面、注意深く行わないと栄養不足に陥る、腸内環境を悪化させるといったデメリットも広く知られています。
では、どんな方法が安全で効果的なのか、課題が見えてくるにつれ、新しい糖質制限食を提案する『ケトジェニックダイエット』という手法が登場しました。
ケトジェニックダイエットの方法とは?
ケトジェニックダイエットを提案する、ナグモクリニック東京の機能性医学外来医院長の斎藤糧三さんは「一般の人が日常の食事から炭水化物を除くという発想で行うと、どうしても栄養不足になりがち。
特にタンパク質がたりないので、筋肉が減りやすい」と話します。
そこで斎藤さんらが提唱する方法では、筋肉量を減らさないために必要な量の肉などや野菜、そして必要なエネルギーをケトン体で補給するために、その原料になる良質な脂肪をとる、という方法です。
基本的には医師や認定アドバイザーの指導の下で行い、子供、妊婦には行なわないほか、糖尿病の人、腎臓や肝臓の機能検査で問題が見つかった人も要注意とします。
さらにケトジェニックダイエットには、「行ってよい期間」も設定されています。
「最初は2週間を目安に行い、最長でも1ヶ月以内」という期間です。
この段階で医師が診断し、継続可能かどうか判断を下します。
「緩やかな糖質制限」という考え方が広まってきている
国内の糖尿病の治療現場でもそうですが、自身の身体を気遣って安全、安心に糖質制限を行いたいという方に、「緩やかな糖質制限」という考え方も登場しています。
例えば、重症の糖尿病患者には3食とも糖質制限を短期的に行なうこともありますが、長期的には徐々に患者の状態を見ながら朝夕糖質制限、夕方だけ糖質制限へと制限を緩めていきます。
特定健診で腹囲に問題ありといわれた人などには、緩やかな糖質制限を行えばメタボ予防につながる、と医師も勧める手法です。
結論として、体重を減らすには短期的な糖質制限は有効。だが病気の管理や体重維持のために長期間行うときは、糖質制限は緩めにし、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足しないように体の状態を確かめながら行うこと。
それが安全かつ、効果を得る方法と言えます。
結論
・とにかく体重を落としたい人は
短期間(1ヶ月)程度だけ厳しい糖質制限を行って、体重を落とす。
その後は緩い糖質制限でコントロール。
・メタボや糖尿病のコントロールをしたい人は
緩い糖質制限を長期間続ける。
医師の指導を受けるなど、きちんとした体調チェックを行う。
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