体形が気になる人にとって、糖質制限はいまや常識というほど、日本人にも浸透しています。しかし、本当に危険性が内在していないのか。メリットがある一方で、体質や年齢を考慮しないで無理な糖質制限を続けてしまうと、多くのデメリットが出てきてしまいます。
糖質制限“ここがメリット”
糖質制限には以下のようなメリットがあります。
・ダイエットしたいとき、開始してすぐに体重が減り効果が出やすい
・血糖値をコントロールできるので、正しく行えば糖尿病の改善効果がある
・糖質をとると分泌されるインスリンは別名「肥満ホルモン」。それを抑制できる
・カロリーを気にする必要がなく、タンパク質と脂質の摂取を制限しなくても体重減
・そもそも縄文時代は糖質制限食。日本人本来の食に近い
糖質とは、食物繊維以外の炭水化物の総称で、タンパク質や脂質と同じく体内のエネルギーとなります。ご飯やパン、お菓子などに含まれる炭水化物(糖質)を制限すると痩せる、というのが糖質制限ダイエット。
ご飯が中心の日本人の食生活にとっては、そのご飯を半分にするだけでOK、と簡単にできてしまうのも大きなメリットと言えますね。
どんな食事療法だと、体重減量効果があるかを調べた過去の実験によると、開始から2年の時点でカロリー制限なしで炭水化物を控えたほうが平均でマイナス4.7kgに対して、脂質を総カロリーの30%に控えてカロリー制限した方はマイナス2.9kg。
脂質制限より、糖質制限の方が体重をより大きく減らせる効果がある、という結論も出ています。
糖質制限“ここがデメリット”
一方、糖質制限には以下のようなデメリットも存在します。
・食欲が落ち、結果としてエネルギー不足で疲れやすくなる
・厳しい糖質制限では筋肉が減ってしまう場合も
・糖質制限をするほど死亡率が高まる
・糖質制限の効果を科学的に調べるのは難しく、結論は出ていない
・糖質を過度に制限した結果、高脂肪食になり動脈硬化を促進する
これらの他にも、糖質がほとんど摂取されていない状態だと、肝臓がアミノ酸を材料として糖を作ります。糖質制限下では通常より多くのタンパク質が必要になるのですが、不足すると特に高齢者の場合は筋肉が壊れていくサルコペニアの症状も現れる危険性があります。
さらに、糖質を制限するべき糖尿病患者の場合でも、薬との相性・合併症の度合いによっては腎臓の悪化が進んだりする場合があると言います。
糖質制限は、要はファッショントレンドと同じで、新しいエネルギーコントロールとして注目を集めただけに過ぎない、と個人的には思います。
糖質制限ばかりに頼ることなく、普段の生活での食べ過ぎを矯正したり、運動不足を解消することが一番健康的で、危険性が小さいと言えます。
<<関連記事>>
【糖質制限の危険性】糖尿病の鳩山邦夫・死亡例から徹底解説!
この記事へのコメントはありません。