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起立性調節障害の症状と原因・治し方~チェックリストで自己診断~

“朝なかなか起きられない”、“起床時にめまいがする”などの症状で子供が悩んでいるなら、起立性調節障害かもしれません。症状を改善するには病気への理解と適切な対処が大切です。

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  起立性調節障害とは

血圧をうまく調節できず、めまいなどの不調を来す

ベッドから起き上がるときなどに血圧の調整がうまくいかず、めまいなどの症状を引き起こす病気を起立性調節障害といいます。思春期の子供に多く発症します。
病名は一般にあまり知られていなものの、多くの患者さんがいます。日本学校保健会の調査では、中学生の約17%、女子の約26%に起立性調節障害の症状がみられたという報告があります。軽い症状も含めれば、多くの子供が経験しているともいわれます。
症状の程度は様々です。重い場合は、朝、布団やベッドから起き上がることができず、学校に行けなくなることも少なくありません。この病気の特徴として、夕方以降は元気になることから、「夜更かししているから学校に行けなくなるんだ」、「意識の問題だ」などと誤解されるケースが多いことも問題です。
こうした誤解をなくし、患者さんが適切な治療を受けるためにも、病気について多くの人が正しい知識をもつことが望まれます。
起立性調節障害は基本的には身体疾患なので、身体的な治療で症状の改善が期待できます。

■起立したときに下がった血圧が戻らないのが原因

健康な人では、横になった状態から起き上がると、体位の変化によって血圧が上がって元に戻ります。
ところが、起立性調節障害の患者さんでは、横になった状態から起き上がったときに血圧が下がったままで、2~3分間たっても元に戻らないときもあります。このように血圧が下がったままなかなか元に戻らない状態を、起立性調節障害の一種である起立直後性低血圧といい、起立性調節障害の直接的原因となります。
普通は立っている状態では、重量の影響で血圧は下半身にたまりやすくなりますが、このままでは頭や上半身に血液を心臓や上半身へと送り返します。しかし、起立性調節障害になると自律神経の働きに不調を来すため、体位を変えたときに下半身の血管あうまく収縮せず、血圧がすぐに戻らなくなってしまうのです。
起立性調節障害には、ほかに、血圧は低下せずに、脈拍が異常に速くなるタイプ(体位性頻脈症候群)などがあります。

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  主な症状

朝起きられなかったり、午前中に体調が悪い

起立性調節障害の主な症状には、朝なかなか起きられない、午前中に体調が悪い、立ちくらみ・めまい、入浴時に気持ちが悪くなる、顔色が青白い、疲れやすい、乗り物酔いしやすいなどがあります。自律神経のリズムの乱れが不調の原因の1つになっているため、朝や午前中に症状が悪化しやすいのが特徴です。複数の症状に当てはまる場合は、まずは小児科や内科を受診してください。そこから必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
こうした症状の原因の1つが起立性調節障害による自律神経のリズムの乱れです。血管の収縮をコントロールしている自律神経(交感神経)の働きは、日中に活発になり、夜には低下する、というサイクルをもっています。しかし、起立性調節障害がある場合、このサイクルが乱れて夕方から活発になります。そのため、早めに床についても寝つけず、朝は寝不足で起きられなくなり、さらに症状が悪化してしまうのです。

■診断方法

起立性調節障害の標準的な診断方法の1つが新起立試験で、横になったときと立ち上がったときの血圧と脈拍の変化を見る検査です。まず10分間横になり、血圧と脈拍を測定します。その後、立ち上がると、血圧は一旦下がってから回復します。その回復するまでの時間を調べ、その後、起立後10分までの脈拍、血圧の変化を調べていきます。
その結果、「血圧が回復するまでの時間が長い」、「脈拍がとても速い」、「血圧が寝たときと同じ状態に戻らない」などに該当する場合は、起立性調節障害と診断されます。

  治療方法・治し方

本人と周囲の人が病気を理解することがスタート

治療の第一歩は、本人と家族や周囲の人が“起立性調節障害が身体疾患である”ということを理解することです。症状で苦しんでいるのに周囲から「怠けている」などと誤解されてしまうことは、患者さん本人にとって大きなストレスとなります。また、重症の場合、治療が長引くことも多いので、家族や周囲の人が根気強くサポートすることが必要です。
実際の治療では、本人や家族に病気についての説明をした後、非薬物療法が行われます。薬に頼らなくても、生活習慣を変えることで症状が軽くなることも少なくありません。
非薬物療法では改善しない場合や、学校の遅刻・欠席が続いている場合は、薬の併用を検討します。原因によっては、心理療法が行われる場合もあります。

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■非薬物療法

薬を使わない治し方としては、姿勢の工夫、水分補給、生活リズムの調整などがあります。
姿勢の工夫では、寝ている状態からいきなり立ち上がるのではなく、30秒間ほどかけてゆっくりと立ち上がるようにします(下図参照)。また、立っているときに、足踏みをしたり、両足を交差させたりすると、血圧の低下を防ぐ効果が期待できます。
水分は1日1.5~2ℓを目標に多めにとるよう心掛けてください。水分を多くとることで十分な血液量が保たれ、血圧を維持しやすくなることにつながります。
また、夜型になりがちな生活リズムを基に戻していくようにします。つらいからと横になって過ごしていると、自律神経の働きがさらに低下します。日中はできる範囲で活動して、夕方でも構わないので散歩など軽い運動をしてみましょう。そして、夜11時頃には部屋の明かりを暗くして、寝る習慣をつけます。

■薬物療法

いずれも飲み薬で、代表的なものに塩酸ミドドリンがあります。起立直後性低血圧では、メチル硫酸アメジニウムが使われることもあります。薬の効果を実感するまでには1か月ほどかかります。すぐに効果が出ないからといって、自己判断で服薬をやめないようにしてください。
また、症状が重くて不登校などを伴う場合、身体症状自体が重かったり、心理的なストレスを抱えていることで身体症状が悪化したり長引いたりすることもあり、すぐには復学できないことも多いものです。このような場合は、心理療法を行ったり、学校に協力を依頼するなどの対応も必要になります。
起立性調節障害の身体的な症状や背景には個人差があります。子供が症状に悩んでいる場合は、まずは学校の保健の先生や医療機関に相談をしましょう。

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